自主勉コラムも12回目になりました。
今回は【油圧】について解説したいと思います。
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自主勉コラム
2023年12月05日
自主勉コラムも12回目になりました。
今回は【油圧】について解説したいと思います。
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【油圧】は身の回りでも、油圧ショベルや自動車のブレーキなど様々な機械に使用されており、旋盤にも多くの部分に使用されています。
【油圧】の特徴として以下2点あげられます。
・他の流体と比較して使用圧が高い。
・圧力はどの方向にも等しく、かつ面に垂直に作用する。(【パスカルの原理】)
【油圧】に使用される液体を【作動油】といいます。
ここでは、チャックを開閉する機構を例に、【油圧】に使用される油圧装置・機器をご紹介します。
①【油圧ユニット】
【油圧ユニット】は主に、【油圧ポンプ】と【油圧タンク】で構成されています。
【油圧ポンプ】は作動油を連続的に他の油圧機器に供給するもので、最も重要な機器とも言えます。
【油圧タンク】は作動油を貯蓄することが主な役割です。
②【減圧弁】
上記①で説明した【油圧ユニット】から供給される作動油の圧力の大きさを調整する制御弁です。
【減圧弁】で圧力を調整することで、油圧チャックでのワーク把握力を調整することが出来ます。
③【圧力計】
上記②で説明した【減圧弁】で調整した圧力の値を、メーターにより目視で確認することが出来ます。
④【方向制御弁】
上記②で説明した【減圧弁】は作動油の圧力の大きさを調整するものでしたが【方向制御弁】は作動油が流れる方向を制御するものです。
方向制御弁は操作方法により、手動式、機械式、などありますが、電気的に操作する【ソレノイドバルブ】と呼ばれる電磁弁が多く使われます。
【ソレノイドバルブ】内部には【スプール】と言われる切替りバルブが内蔵されており、【スプール】を下図の左右に電磁石の力を用いて移動させることで油路を切り替えることが出来ます。
外部から侵入したほこり、運転中に発生した摩耗分や劣化物などの汚染物質が作動油の中に蓄積されていくと、油圧機器が焼き付きやかじりの原因になることがあります。
汚染物質を【コンタミナント】とも言います。
定期的に作動油を交換し、きれいな状態を保つことが必要です。
いいかがでしょうか?
今回はチャックを開閉する機構に焦点をあて解説しましたが旋盤には刃物台や芯押台など、多様な部分に【油圧】が使われています。
機械を動かすのに使われる力、油圧・空圧・電力それぞれにメリットデメリットがあり使い分けています。今回の記事を書き、油圧動力が今までよりも身近に感じられるようになった気がします。