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【難削材加工動画】耐熱合金を削りました① 外径加工

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動画

2023年10月31日

今回は耐熱合金についてのお話です。

耐熱合金は難削材とされていますが、何が問題で何に注意すれば良いのでしょうか?
今回はニッケル合金のALLOY600(インコネル600相当)を削ってみて、加工のポイントや注意事項をまとめてみました。
その時の動画や写真も用意していますので是非ご覧ください!

耐熱合金の加工のポイントと注意点

まずは実際に端面と外径を削ってみた動画をご覧ください

 

 

耐熱合金には以下のような特徴があります。
 

1)熱が伝わりにくい
熱伝導率が低いという特徴を持っています。そのため、切粉に熱が伝わらず、工具が熱を持ったまま加工することになり、工具の寿命が短くなってしまいます。耐熱性の高いチップの選定が必要になります。

 

2)加工硬化しやすい
加工硬化しやすいという特徴があります。その為、注意して切削条件を設定しなくてはいけません。
注意するべきポイントは、下記の3つです。

  • 切り込み量
    「難削材なので切込み量を減らして少しずつ削って・・・」と思う方もいるかもしれませんが、加工のパス数が増えることにより、「削る→硬くなる→また削る→硬くなる・・・」という動作の繰り返しになってしまい、どんどん削りにくい状態になり、加工精度の低下や工具の寿命が短くなる等の悪影響が出てしまう可能性があります。
  • 送り速度
    切り込み量と同じで「難削材だから・・・」と送り速度の条件を下げると、工具を送っている間に加工硬化が発生し、悪条件で加工することになってしまいます。
  • 周速、回転数
    周速、回転数は高くなるほど加工硬化が発生する為、出来るだけ低速で行いたいですが、低速すると削る力が足りなくなる、加工タイムが長くなるといったことになります。

 

3)切粉が繋がりやすい

写真のように粘り気があり硬く、繋がった切粉が出てきます。工具との親和性が高いといった特徴もあります。
繋がった切粉が工具やワークに巻き付く、刃先に切粉が付着することが原因となり精度低下や工具の破損、ワークに傷が付く等の問題が発生しやすくなります。切れ味の良い工具を選定する、切削油を使用する等の切粉が繋がらない、付着しなくなるような対策をすることが効果的です。

まとめ
  • 工具選定
    耐熱性が良く、切れ味の良い工具を選定する
    適正な形状、コーティングの耐熱合金用チップを選定する。
  • 切削条件
    送り速度が低過ぎる、切込み量が少な過ぎるのは良くない工具の条件などを参考に、適正条件を探していく

 
今回削ったのはニッケル基の合金になりますが、チタンやコバルト等の合金もあります。それぞれの特徴に合わせた条件、対策で加工していく必要があります。
 
この記事の内容や他の材質についてもお困りのことがあればお気軽にご相談ください。

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