自主勉コラムも9回目になりました。
前回はチャックのジョーの種類について紹介しました。
今回はチャックのジョーが【把握力】にどのような影響を及ぼすのか解説していきます。
過去の自主勉コラムはこちらから
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自主勉コラム
2023年06月27日
自主勉コラムも9回目になりました。
前回はチャックのジョーの種類について紹介しました。
今回はチャックのジョーが【把握力】にどのような影響を及ぼすのか解説していきます。
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チャックの【把握力】とは、チャックがワークを保持する(掴む)力のことです。
【把握力】は小さすぎると、ワークスリップやワークの飛散に繋がり
逆に大きすぎると、ワークを握りつぶして、変形させてしまいます。
把握力発生のプロセスは
【入門編】TAKISAWA社員の自主勉コラム~旋盤とは何?主軸編~ をご覧ください。
チャックの回転中はジョーに【遠心力】が生じ、特に外径把握の場合は、【把握力】を減少させる方向に作用します。
【把握力】が著しく減少するのは、次の2パターンです。
①主軸回転数が速い
主軸回転数が速くなるほど、遠心力が大きくなり、把握力が減少します。
②ジョーが重い
ジョーの質量が大きくなるほど、遠心力が大きくなり、把握力が減少します。
【把握力】を保持する方法とは、【遠心力】を小さくする方法
上記の②ジョーが重いに関しては把握に直接影響しない部分を一部カットすることで
ジョーを軽量化し、生じる【遠心力】を小さくすることが出来ます。
下図に例を示しています。ジョーの背の部分や、円形爪の両サイドをカットすることで
軽量化できます。
上記が、【遠心力】を小さくして、【把握力】を減少させない方法ですが
加工条件上、回転数が落とせない、ジョーの一部もカットするところがない場合があると思います。
その場合、ジョーとワークの【摩擦抵抗】を大きくする方法が有効です!
下の写真のように、ジョーにスリットを加工することで
ジョーとワークとの【摩擦抵抗】を大きく出来、加工中にワークがスリップすることを
抑えられる可能性があります。
いいかがでしょうか?
把握力が低下しすぎると、加工中にワークのスリップや、飛散の恐れがあります。
加工精度を安定させるには、適切な把握力、ジョーの形状を検討することが必要です。