自主勉コラムも4回目になりました!
今回は心押台の解説をしていきたいと思います。
これまでに紹介した内容を振り返りたい方はこちらから
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製品情報
自主勉コラム
2022年12月20日
加工物が長く、加工力や自重でたわむ場合
チャックに加えて、センターを取り付けた心押台により反対側からも加工物を支持する役割があります。
図1 心押台位置
心押台のうち、代表的な3種類を紹介します。
工作物への推力(センターを加工物に押し付ける力)のかけ方がそれぞれ違います。
手動心押台
ハンドルを回すことにより心押軸の出し入れを行います。
当社の汎用旋盤に標準採用しています。
図2 手動心押台図
油圧心押台
油圧により心押軸の前進/後退を行います。
当社の多くのNC旋盤に採用しています。
図3 油圧心押台
NCサーボ心押台
サーボモーターにより心押台を移動させます。
プログラム内で前進/後退の位置や推力を指令することが出来ます
図4 NCサーボ心押台
心押台を使用する際は、センターを取り付けて使用します。
図5 心押台とセンター
心押台に取り付けるセンターは加工物の形状、大きさ、重量、加工方法に応じて
使い分ける必要があります。
代表的な3種のセンターを紹介します。
固定センター
・工作物が大きく重量物の場合に使用
・切削抵抗が大きい場合に使用
図6 固定センター
回転センター
・工作物が軽量で小さい場合に使用
・切削抵抗が小さい場合に使用
・ベアリング内臓で工作物と共に回転
⇒センター中心に摩擦力なし
⇒熱変形抑制が可能
図7 回転センター
傘形回転センター
・工作物が中空の場合に使用
図8 傘形回転センター
センターの角度は60°が一般的ですが、重量がある大型部品を加工する際には
75°または90°にする場合があります。
図9 センター角度図
いいかがでしょうか?
心押台は長い加工物を加工する際の強い味方であり、旋盤において重要な構造物の1つとなっています。センターの形状や心押軸の推力などもより良い切削を行うための1つの条件です。