皆様の社内では、新入社員や若手社員を対象にした社内教育をどのように実施されていますか?
忙しい上司や先輩に聞きにくい時がありますよね??
そこで実際のカタログを使い、その中で機種選定の際に重視される指標をピックアップして若手社員にも理解しやすいように解説します。
下表1はTAKISAWAの製品カタログにおける仕様表です。
表1 「TCN-2100」より一部抜粋
今回はこのうち、「能力・容量」と「移動量」の項目を理解する上で重要なワード、
「最大加工径」「最大加工長」「X軸」「Z軸」について取り上げます。
1. ざっくりとした機械構成について
図1 機械構成概略図
JISB-0106:2016によれば、以下のように定義されています。
- 主軸・・・工作物を取り付けて回転運動を与える軸
- 主軸台・・工作物を回転させる主軸を備えている台
- 刃物台・・・刃物その他を取り付ける台
- 往復台・・・エプロン,サドル,横送り台,刃物台などから構成されるベッド上を往復して
- 刃物の送り運動を行う台
- 心押台・・・ベッド上の主軸台の反対にあり、工作物の一端を支える台
図1の機械は心押台を搭載しているので、工作物の一端を心押台で支持してワークを加工することができます。
心押台の用途としては、回転中心軸のブレ対策のために使用します。
特に、非対称工物や長尺工作物を加工する場合に注意が必要です。
機械構成の部位については概ね分かりましたか?
2. 「能力・容量」と「移動量」に関する部分について
図2 軸方向概略図
図2は最大加工径(赤色部分)、最大加工長(青色部分)を表しています。
文字通り、最大加工径とは、その機械で加工できる工作物の最大加工径です。
最大加工長も、長さに関して同様です。
3. X軸・Z軸について
NC旋盤における座標軸は、JISB-6130:2003によれば以下のように記載されています。
- Z軸・・・「機械の主軸に平行にとる」
- X軸・・・「可能な限り、X軸は水平にとる」
なお、X軸・Z軸は、右手直交系を成すように定めると記載されています。
・・・が、イメージしにくいと思うので少し補足します。
JISB-6130を基に、図2の機械構成で説明すると、
Z軸とは・・・・主軸長手方向の軸と解釈でき、図2の青色線を示します。
X軸とは・・・・Z軸に直交し、かつ、工作物の径方向の軸と解釈できます。
図2の機械構成の場合、往復台が傾いているので、往復台の運動方向がX軸となり、図2の赤線を示します。
今回の解説はいかがでしたでしょうか?
次回は「主軸」と「刃物台」の項目について説明する予定です!ご期待下さい!
また、今回はたくさんの用語が出てきましたがそのほかの用語も勉強したい方は工作機械関連用語集もどうぞ!